ビジネスをスタートする開業時など融資を受ける際には、提出書類として「事業計画書と収支計画書」が必要です。
「収支計画書」とは売上などの収入と、家賃などの支出を計算して、損益がいくらかを把握するもので、ビジネスモデルが適正かどうか判断するのに役立ちます。
また、起業家向けのビジネススクールや情報サイトでも、「事業計画書と収支計画書」の作成をすすめるものが多く、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、はじめて収支計画書を作るときには、少し難しく感じてしまうでしょう。
そこでこの記事では、「収支計画書の目的やメリット、作り方の手順やポイント」などを解説します。
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収支計画書とは?
収支計画書とは収入(売上など)と、支出(経費など)を計算して、損益(利益または損失)がいくらかを確認するものです。
- 収支計画書:収入(売上など)-支出(経費など)=損益(利益or損失)
具体例としては、日本政策金融公庫(公庫)の融資を申し込む際に必要な、「月別収支計画書」があります。とてもシンプルですが、ひと目で損益がわかり便利です。
テンプレートを使えば事業の収支計画書作りが簡単になる
支出内容やお金の流れをもう少し具体的に把握したい場合には、以下のように項目を増やして使ってもよいでしょう。
上記テンプレートについては、以下のリンク先から無料ダウンロード可能です(個人情報入力不要)。
収支計画書を作成する目的
収支計画書を作成する目的は、主に以下のようになります。
- ビジネスモデルが適正か確認する
- 1年~3年間のお金の流れを把握する
- 融資など資金調達に使用する
1)ビジネスモデルが適正か確認する
事業を継続するためには、現在行っているビジネスの収益状況が適正で、利益を出していかなければなりません。
事業計画を立てるのに失敗してしまうと、「いくら売上を上げても利益がでない計画」や「実現が不可能な計画」を立ててしまうことがあります。
実際に創業時の計画には、このようなものが多くあります。
開業する事業の調査不足や、ビジネスに対する具体的なイメージに欠けていることが原因ですが、このまま事業スタートしてしまうと、半年~1年後には廃業ということも珍しくありません。
収支計画書をしっかり作成することで、目に見える数字として利益や損失が明確になるため、このような失敗を防ぐことが可能になります。
2)1年~3年間のお金の流れを把握する
収支計画書を作成すると、1年~3年間のお金の流れを把握することができます。
特に創業・開業時などは売上が少ないのに、突発的な経費などは発生しがちで、資金繰りに困ることが多く、お金の流れを把握しておかないと大変なことになります。
最低でも1年、できれば3年程度のお金の流れを把握しておけば、ビジネスを計画的に行うことができます。
3)融資など資金調達に使用する
創業融資などの資金調達を金融機関に申し込む場合には、収支計画書が必要になります。
金融機関が融資を行う際には、「貸したお金が確実に返済されるか」の確認・審査を行いますが、その判断材料の1つが収支計画書になります。
日本政策金融公庫では最低1年分、民間の金融機関では3年分程度の収支計画書が求められます。
収支計画書の作成と同時に、金額の具体的な根拠も説明しなければいけませんので、しっかりと作り込む必要があります。
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収支計画書を作るメリット
収支計画書を作成するメリットは、主に以下のようになります。
収支計画書の作成はメリットしかありませんので、一度作成してみられることをおすすめします。
- 事業モデルがブラッシュアップされる
- お金の流れが把握でき早めに対処できる
- 融資などの資金調達に有利
1)事業モデルがブラッシュアップされる
収支計画書をしっかりと作り込むことで、自分が行うビジネスの事業モデルが段々と磨き上げられて、よいものになっていきます。
収支計画書の作成に慣れてくると、効果的に売上を上げる方法や、経費を抑える方法を考えるようになります。
毎月1回、収支計画書を見直すことを習慣づけましょう。
2)お金の流れが把握でき早めに対処できる
収支計画書を作成することで、1年~3年程度のお金の流れを把握できるようになります。
「売上が上がってきたので設備投資したい」
「突発的に大きな支出があるため一時的に預金残高が少なくなる」
このような場合にも、中期的なお金の流れが分かっていれば「融資を受けるor自己資金を追加する」などの対処方法を考えて、落ち着いて対応することができます。
特に融資を受ける場合には、少し時間がかかりますので早めの準備が必要です。
目先のお金の流れしか見ていないと対処が遅れ、資金繰り失敗のリスクがありますので、十分にご注意ください。
3)融資などの資金調達に有利
適正な収支計画書を作成することに慣れていれば、資金調達の際に金融機関に対して、具体的な収支内容を説明でき、非常に有利です。
金融機関が一番気にするのは「貸したお金がきちんと返済されるかどうか」です。
作り込まれた収支計画書は、融資担当者からの信頼を得るのに非常に有利です。
収支計画書を作成するタイミング
収支計画書を作成するタイミングは、主に以下のようになります。
1)融資などの資金調達時
収支計画書は、融資などの資金調達の申請書類になり、必ず作成することになります。
融資の際には、「事業計画書と収支計画書」をセットで作成することが大半です。
事業計画書に、収支計画書の金額などの具体的な根拠を記載することが多くなります。
2)創業・開業前後
融資のときだけでなく、可能であれば創業時の事業計画を練り上げる際にも作成することが望ましいでしょう。
例えば、飲食店では店舗を借りる必要がありますが、予測した売上規模によって、借りる店鋪の大きさなどは変わってきます。
すぐに廃業してしまう飲食店の特徴としては、売上予測を大きく見積りすぎて、「開業費用をかけすぎ+固定費を大きくしすぎている」ことが大半です。
これらの失敗は、具体的な説得力のある収支計画書を作成することで、防げる可能性が高くなります。創業時の収支計画書は、できれば「金融機関や商工会議所などの無料相談」でもよいので、専門家に確認してもらうとより効果的なものになります。
3)毎月の実績が確定したとき(定期的な見直し)
収支計画書は、毎月の実績を元にブラッシュアップしていくとよいでしょう。
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収支計画書の作り方や書き方の手順
収支計画書に決まった書式はなく、個人事業主も法人も作り方は同じです。
ただし、融資用の収支計画書を書く場合には、金融機関が作成しているテンプレートを使うとよいでしょう。
ここでは、シンプルで書きやすい日本政策金融公庫の「月別収支計画書」を元に、書き方の手順を解説します。(金額などの参照箇所あり)
1)売上予測を立てる
収支計画を立てるには、まず売上を予測します。
売上予測の方法は、業種の特性によっても異なりますので、もっとも適した方法を選びましょう。
予測に際しては、地域事情を考慮するなど、多角的に検討することが重要です。
業界経験があれば、前職までの経験で売上予測を立てられます。
飲食店や美容室などの店舗ビジネスであれば、近隣の類似店舗の売上を調査しても良いでしょう。
例)飲食店の売上予測
<創業当初>
①売上高(日曜定休):月248万円
昼(月~土) 900円×25席×0.8回転×26日= 46万円
夜(月~木) 4,500円×25席×0.6回転×18日=121万円
(金、土) 4,500円×25席×0.9回転× 8日= 81万円
<軌道に乗った後>
①創業当初の1.3倍(勤務時の経験から)
2)売上原価(仕入高)を計算する
売上原価(仕入高)は、開業する業種の平均的な原価率が分かれば計算できます。
業界経験があれば、前職までの経験で売上原価や原価率の予想ができるでしょう。
業界の平均的な原価率などを知りたい場合には、日本政策金融公庫が公表している「小企業の経営指標調査」が参考になります。
■売上原価と売上総利益(粗利益)
売上原価(仕入高)35万円=売上100万円×原価率35%
売上100万円=売上原価35万円+売上総利益(粗利益)65万円
→原価率35%、粗利率65%
例)飲食店の売上原価
売上248万円で原価率35%の場合
売上原価86.8万円=売上248万円×原価率35%
3)固定費を計算する
固定費とは、ビジネスをスタートすると必ず発生する費用のことです。
固定費は売上が0円であっても必ず出ていくもので、この金額を上回る利益がなければ赤字となり、ビジネスを継続することはできません。
固定費の主なものは、家賃や水道光熱費、人件費、役員報酬などになります。
例えば飲食店の場合には、出店エリアや売上予測をしたうえで、店鋪規模や必要人員を決めていきますが、しっかりとビジネスとして成り立つように設計しなければなりません。
例)飲食店の固定費など
■売上248万円で原価率35%、純利益目標20%の場合
- 売上原価35% = 86.8万円
- 純利益20% = 49,6万円
- 固定費・変動費など45% = 111.6万円
上記の例でいけば、「固定費や変動費、その他の経費、借入の返済など」は、すべてあわせて111.6万円以内でなければ、ビジネスモデルとして成り立たないことになります。
もし、どうしても利益が出せないようであれば、ビジネスモデルを根本的に見直す必要があります。
固定費の多くを占めることが多い事務所の賃貸料などは真っ先に見直すべきです。もし、自宅兼事務所などでビジネスを営める場合は、バーチャルオフィス等の利用を検討するのも一手です。
バーチャルオフィスとは都心一等地の住所をビジネス利用できるサービスのこと。詳細は「バーチャルオフィスとは?利用すべき?よくある質問を総まとめ」にて詳しく解説しています。
このように、計画しているビジネスモデルが適正かどうか判断するツールとして、「収支計画書」が重視されているのです。
■その他の固定費例
通信費 | ビジネスで使う電話代や郵便代などの通信にかかる費用。 切手代、ハガキ代、インターネット料金など。 |
旅費交通費 | 出張中に発生する移動にかかる費用や、宿泊費など。 公共交通機関や高速道路、ガソリン、宿泊ホテルなどの費用。 |
消耗品費 | 事務所などで使う備品のうち10万円未満のもの。 事務用品や作業用品、包装材料などの費用。 |
広告宣伝費 | 会社の製品やサービスを不特定多数の人に向けて、宣伝するときにかかる費用。社名入りグッズ、見本や試供品、PR費用など。 |
接待交際費 | 事業に関係する人に対して、接待や謝礼、供応、慰安、贈答する行為にかかる費用。1人当たり5,000円以上の会食費用など。 |
支払手数料 | 商品やサービスに附随して発生する手数料や、専門家に支払う報酬など。銀行の振込手数料、事務手数料、税理士への報酬など。 |
荷造運賃 | 顧客に販売した商品などを発送するための荷造り費用や運賃など。ダンボール、ガムテープ、宅配便などの費用。 |
※業種によって固定費の区分は異なります。
4)返済額や利息額を計算する
金融機関などから融資を受ける場合には、返済額と利息も計上します。
融資が決定していない場合には、借入金は自己資金の2~3倍程度を上限で考え、返済額を計上します。利息は金利2~3%で計算して計上すればよいでしょう。
5)損益分岐点を計算する
損益分岐点とは、収入と支出が同額になり、損益がちょうど0円になる売上のことです。
事業活動を継続するために、最低限必要な売上で、損益分岐点を知ることは非常に重要です。
借入などの返済がある場合には、返済金額も支出に含めて計算しましょう。
損益分岐点の計算式は、以下のようになります。
- 損益分岐点=(固定費+返済額)÷(1-変動費率)
上記飲食店の損益分岐点を計算すると、以下のようになります。
例)飲食店:売上248万円
変動費率50%(原価率35%+その他変動費15%)、固定費60万円、返済額10万円
損益分岐点140万円=(固定費60+返済額10)÷(1-0.5)
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収支計画書作成のコツやポイント
収支計画書作成のコツやポイントは、主に以下のようになります。
- 売上や経費の根拠を明確にする
- 固定費が適切か多角的に検討する
- 閑散期・通常期・繁忙期などを考慮する
- 売上が計画を下回った場合の対処法も考えておく
精度が高く説得力のある収支計画書は、継続できるビジネスモデルを作るうえで重要です。
また、融資においても非常に有利になりますので、コツやポイントをおさえて作成できるようにしましょう。特に、銀行などの記入期間を相手取るときには強力な味方となってくれますよ。
1)売上や経費の根拠を明確にする
収支計画書の金額は、具体的で明確な根拠や説得力が必要です。
「机上の空論」では、ビジネスにおいてまったく意味がありません。
融資においても、根拠はかなり具体的にヒアリングされ、融資担当者に納得してもらえないと審査通過はありません。
今までの経験、統計資料、現地調査など多角的に検討し、実態に即した予測を行いましょう。
2)固定費が適切か多角的に検討する
固定費は、いったん確定してしまうと、簡単に減らすことはできません。
店鋪を借りて、従業員を雇用してしまうと、売上が予想通りに上がらなくても、固定費として毎月支払わなければなりません。
そうすると赤字が増えていき、あっという間に資金は底をついてしまいます。
そうならないためにも、固定費は何度も見直して、不要なものはできる限り抑えるように工夫しましょう。
筆者も固定費削減のために「GMOオフィスサポート」というバーチャルオフィスを契約したり、スマホでつかる固定電話サービス「03plus」を活用したりしています。
3)閑散期・通常期・繁忙期などを考慮する
売上の動きには、業界ごとで季節的な特性があります。
例えば、サラリーマンをターゲットにしたビジネス街にある居酒屋の場合、3月4月は歓送迎会、12月は忘年会、1月は新年会の需要があり、繁忙期となります。
逆に2月8月は「ニッパチ」とばれる閑散期にあたります。
このような業界特有の流れを把握すると、売上の波による資金の増減も予測できます。
またビジネスにおいても、2月8月の閑散期を乗り切るためのキャンペーンなども計画することが可能になります。
4)売上が計画を下回った場合の対処法も考えておく
売上が計画を下回った場合の、対応策は何通りも考えておきましょう。
特に資金に関しては、具体的に検討しておく必要があります。
ビジネスは、なかなか予定通りにはいきません。
特に創業時などはなおさらです。
事業計画や収支計画を練りに練っても、予想売上を達成できないことはよくあります。
何度も何度も試行錯誤を繰り返して、ようやく事業が軌道に乗ることの方が多くなります。
このように予想通りに行かない場合でも、事前に対処法を考えておけば焦らずに対応することが可能になります。
融資においても、売上が予想を下回った場合の方法を具体的に考えてあれば、担当者も安心して審査にまわせます。
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「収支計画書の目的・メリットや作り方」まとめ
「収支計画書」は、融資などの資金調達の際に必要な書類の1つです。
また、創業・開業前に事業計画を考えるときや、開業後の定期的な事業見直しにも非常に役に立つツールです。
収支計画書の作成は、「ビジネスモデルのブラッシュアップ、お金の流れの把握」などのメリットもありますので、融資以外でも作ってみることをおすすめします。
具体的な根拠が明確で説得力のある収支計画書は、儲かるビジネスモデルを構築するうえでも非常に有益です。
特に、創業前に作成すれば、固定費見直しをするきっかけにもなります。固定費は事業を開始すると簡単には減らせず、創業前は見直しの絶好のチャンスです。
また、3年程度のお金の流れを把握できれば、計画的に事業をすすめることが可能になります。会社は資金不足になったら終了です。
そうならないためにも、しっかりとした収支計画を立てて、効率的に事業を行っていきましょう。
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