「会社名、他社と同じでいいのかな?」
起業や副業で会社設立を考えているあなたは、きっとこんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか?
「せっかく考えた会社名なのに、すでに使われていたらどうしよう…」
「会社名を変えるのは面倒だし、できれば同じ名前で設立したい…」
会社設立はワクワクする反面、知らないと損するルールもたくさん。特に、会社名が他社と重複していると、思わぬトラブルに発展する可能性も…!?
そんな不安をお持ちのあなたのために、今回は、他社と同じ会社名で法人を設立できるのか、できないのか、そして、会社名を決める際に注意すべき点について、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、会社設立前に知っておくべき重要なポイントが理解でき、安心して会社設立準備を進められるはずです。
1. 「同一商号・同一本店の禁止」の原則
日本で会社を設立するには、商号法という法律に基づいて、会社名(商号)を登録する必要があります。そして、この商号法には、「同一商号・同一本店の禁止」という重要な原則が存在します。
これは、同じ会社名で、同じ場所で事業を行う会社が複数存在することを禁止する ルールです。例えば、同じ「株式会社〇〇」という名前の会社が2つ存在した場合、顧客はどちらに連絡すれば良いのか分からず、商品やサービスの購入をためらってしまうかもしれません。また、同じ会社名で、異なる品質の商品やサービスを提供する会社が存在した場合、顧客は混乱し、ブランドイメージの低下につながる可能性もあります。
2. なぜ、会社名は重複してはいけないのか?
では、なぜこのようなルールがあるのでしょうか?同じ会社名で事業を行うと、具体的にどんな問題が起こる可能性があるのでしょうか?
- 顧客への混乱を防ぐため
- 不正行為を防ぐため
2-1. 顧客に混乱を生じさせないため
同じ地域で同じ会社名の会社が2つあったら、顧客はその会社を区別することが難しくなり、混乱してしまいます。例えば、Aさんが「株式会社〇〇」という会社に依頼したサービスが良かったので、再度利用しようと考えたとします。しかし、同じ地域に全く別のサービスを提供する同名の「株式会社〇〇」が存在した場合、Aさんは自分が以前利用した会社と混同してしまう可能性があります。
このような混乱は、顧客満足度の低下やクレーム、最悪の場合、意図しない会社への誤発注、取引上のトラブルに繋がってしまう可能性も孕んでいます。
2-2. 不正行為を未然に防ぐため
悪意のある第三者が、既存の会社の信用や評判を利用するために、意図的に同じ会社名を使用する可能性があります。例えば、有名な会社と全く同じ会社名を利用して、偽のウェブサイトを作成し、商品を販売するといった詐欺行為が考えられます。
このような不正行為から顧客を守るためにも、会社名の重複は禁止されています。
3. 他社と同じ会社名で設立できる?例外はあるの?
「全く同じ会社名で設立できないのは分かったけれど、少しだけ違う名前なら大丈夫なのでは…?」
そう考える方もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、会社名の一部が違っていたり、地域が異なっていたりする場合でも、最終的な判断は法務局が行います。
- 業種が異なる場合
- 地域が異なる場合
- 商号の一部が異なる場合
3-1. 業種が異なる場合
例えば、「株式会社〇〇」という会社名が、飲食業とIT業で存在している場合、一見すると事業内容が大きく異なるため、登録できる可能性があるように思えます。しかし、実際には、顧客の混乱や不正行為の可能性を考慮して、法務局が判断します。
3-2. 地域が異なる場合
例えば、「株式会社〇〇東京支店」と「株式会社〇〇大阪支店」のように、地域が異なる場合は、登録できる可能性が高まります。しかし、インターネットやSNSを通じて全国区で事業を展開するケースが増えている現代においては、必ずしも地域が異なるからといって、会社名が認められるとは限りません。
3-3. 商号の一部が異なる場合
例えば、「株式会社〇〇」と「株式会社〇〇テクノロジー」のように、会社名の一部が異なる場合も、安易に登録できるとは限りません。顧客は、会社名の一部が異なるだけで、同一の会社だと誤認してしまう可能性もあります。
4. 会社名の重複を防ぐための調査方法
会社名の重複を防ぐためには、事前にしっかりと調査する必要があります。
- インターネット検索
- 商標登録データベースの確認
- 法務局のウェブサイトでの確認
- 専門家への相談
4-1. インターネット検索
まず、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、会社名候補を検索します。同じ会社名や類似した会社名が出てくるか確認しましょう。会社名だけでなく、会社名+業種で検索してみましょう。例えば、「株式会社〇〇 飲食店」のように検索すれば、より絞り込んだ結果を得られます。
4-2. 商標登録データベースの確認
次に、特許庁のウェブサイトにある「商標登録データベース」で、会社名候補を検索します。同じ会社名や類似した会社名で商標登録されているかどうか確認できます。商標登録は、会社名だけでなく、ロゴやマークなども対象となるため、注意が必要です。
4-3. 法務局のウェブサイトでの確認
さらに、法務局のウェブサイトでは、会社設立の登記情報が公開されています。会社名候補で検索して、すでに登録されている会社がないか確認しましょう。法務局のウェブサイトでは、会社名だけでなく、住所や代表者などの情報も確認できます。
4-4. 専門家への相談
弁護士や行政書士などの専門家に相談することで、より確実な調査を行うことができます。会社設立の手続きや商号の重複に関する法律的なアドバイスを受けることができます。専門家は、商号法に関する深い知識を持っているため、より的確なアドバイスを受けることができます。
5. バーチャルオフィス登録時の注意点
近年、バーチャルオフィスを利用する企業が増えています。バーチャルオフィスでは、住所を借りて登記することができますが、同一の住所で複数の法人が登録されている場合、会社名が重複する可能性があります。
- バーチャルオフィス事業者からの情報提供
- 法務局での確認
- 会社名変更
5-1. バーチャルオフィス事業者からの情報提供
バーチャルオフィスを利用する際には、契約前に、事業者側から同一住所に登録されている法人の情報を提供してもらいましょう。
5-2. 法務局での最終確認
バーチャルオフィス事業者から情報提供を受けても、それはあくまで簡易的なチェックです。最終的には、自身で法務局に問い合わせを行い、会社名が重複していないかを確認する必要があります。
5-3. 会社名変更
もし、希望する会社名がすでに使われている場合は、会社名を変更する必要があります。会社名は、事業の顔となる重要な要素ですので、安易に変更することは避けたいものです。そのためにも、事前にしっかりと調査を行い、重複の可能性を減らしておくことが重要です。
当サイトでは「バーチャルオフィスのレビュー記事」をご用意しています。気になるサービス名をクリック・タップすると、解説記事が表示されます。
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6. 会社名が決まらない?候補を複数考えてみよう!
会社名は、事業のイメージを大きく左右する重要な要素です。なかなか良い会社名が決まらない場合は、以下の方法を試してみましょう。
- 事業内容やターゲット層を明確にする
- 印象に残る言葉やフレーズを組み合わせる
- 外国語やアルファベットを取り入れる
- 関連する単語や言葉を組み合わせる
- 複数人でアイデアを出し合う
ちなみに、画数で縁起の良し悪しが変わるということはご存知ですか?気になる方は、以下の記事も合わせてご覧ください!
6-1. 事業内容やターゲット層を明確にする
どのような事業を行い、誰にサービスを提供したいのか?
ターゲットを明確にすることで、会社名にふさわしい言葉やイメージが浮かびやすくなります。例えば、女性向けのサービスであれば、柔らかな印象の言葉や、ターゲット層が好むようなおしゃれな言葉を選ぶと良いでしょう。
6-2. 印象に残る言葉やフレーズを組み合わせる
覚えやすく、印象に残る言葉を組み合わせることで、顧客にアピールできる会社名になります。例えば、事業内容のキーワードを盛り込みつつ、覚えやすいリズムや語呂の良い言葉を組み合わせることで、顧客の記憶に残りやすい会社名を作ることができます。
6-3. 外国語やアルファベットを取り入れる
外国語やアルファベットを取り入れることで、洗練されたイメージの会社名になります。ただし、外国語を使用する場合は、その言葉の意味や、顧客にとって分かりやすいかどうかを考慮する必要があります。
6-4. 関連する単語や言葉を組み合わせる
事業内容に関連する単語や言葉を組み合わせることで、顧客に分かりやすく、親しみやすい会社名になります。例えば、飲食店であれば、「美味しい」「楽しい」「笑顔」といった言葉と、提供する料理のジャンルや店の特徴を表す言葉を組み合わせることで、顧客に魅力が伝わりやすい会社名になるでしょう。
6-5. 複数人でアイデアを出し合う
一人で考えるよりも、複数人でアイデアを出し合った方が、より多くの候補を検討することができます。また、客観的な意見を取り入れることで、思わぬアイデアが生まれる可能性もあります。
7. まとめ
他社と同じ会社名で法人を設立することは、原則としてできません。会社名の重複を防ぐためには、事前にしっかりと調査することが重要です。
起業や副業で会社設立を考えているあなたは、この記事を参考に、会社名の選定から、設立までの流れをスムーズに進めていきましょう。