結婚相談所は、婚活を成功させるために利用されることが多く、多くの人が「成婚」を目標とします。しかし、実際に結婚相談所を利用しても、成婚に至らないというケースも少なくありません。
そのため、結婚相談所の成婚率が低いという話をよく耳にすることがあります。
成婚率が低い理由には、結婚相談所自体の問題、仲人の問題、自分自身の問題など、様々な要因が絡み合っています。利用前にしっかりと調べて、自分に合った結婚相談所を選ぶことが大切です。
この記事では、結婚相談所の成婚率のリアルについてお伝えするとともに、一般的な成婚率の定義についてもお伝えしていきます。結婚相談所を開業する前に、「こんなはずじゃなかった」と思う前に、基礎知識をおさえておきましょう!
結婚相談所の成婚率はどれくらい?
結婚相談所を利用する際に目標となる「成婚」ですが、実際その成婚率はどれくらいなのでしょうか。
大手結婚相談所を対象に調査しました。
- IBJメンバーズ:54.5%
- ゼクシィ縁結び:28.0%
- パートナーエージェント:27.0%
- オーネット:10.8%
高いところで50%以上、低いところでは10%程度になっています。
なぜこれほどまでに差が出るのでしょうか??
もちろん結婚相談所ごとの実績の差もありますが、算出方法にからくりがありました。
結婚相談所の成婚率の実態とは?
結婚相談所選びの基準のひとつとなる成婚率ですが、その定義は明確に定められていません。
数字だけに惑わされず判断できるよう、算出方法を知っておきましょう。
成婚率の算出方法には様々な種類がある
成婚率の算出方法には大きく3種類があります。
計算式1:
「全成婚退会者」÷「全会員数」の割合
計算式2:
「一定期間の成婚による退会者数」÷「一定期間の退会者数」
計算式3:
「成婚による退会者数」÷「成婚以外を含む全退会者数」
算出方法が異なることで、どれくらい成婚率は変わるのでしょうか。
2017年に公開されているエン婚活エージェントのコラムに、具体的に算出した例が掲載されています。記事自体は古いですが算出方法には影響がないので、参考にしてみましょう。
(以下は記事内容をもとに、筆者にて見やすさを考慮して改行や装飾等を加えたものです)
▼前提条件:
総会員数:100名(うち10名は2015年~2016年に入会)
成婚退会者:10名(うち5名は2015年~2016年に退会)
成婚以外での途中退会者:20名
計算方法1:
結婚相談所の成婚率の実態とは?算出方法を知って低い、高いを判断しよう!
「成婚退会者:10名」÷「総会員:100名」
=「成婚率:10%」
計算方法2:
「一定期間の成婚による退会者:5名」÷「一定期間の退会者:10名」
=「成婚率:50%(1年間の実績)」
計算方法3:
「成婚退会者:10名」÷「成婚以外を含む全退会者数:30名」
=「成婚率:33%」
以上の例を見ると、同じ実績であっても成婚率が大きく異なることが分かるのではないでしょうか。
同じ会員数、成婚退会者、成婚以外の途中退会者であっても、成婚率は10%、50%、33%という結果になりました。
記事の冒頭で大手結婚相談所の成婚率を記載しましたが、それぞれ算出方法が異なるからばらつきがあったのですね。
IBJ、ゼクシィ縁結びは、計算式2を利用しています。3つの算出方法の中では成婚率が最も高く出たものが使われています。
パートナーエージェントでは「年間成婚退会者」÷「年間平均在籍会員数」を採用しており、計算式1が近いといえます。
オーネットではサイト上に成婚率の実績値がなかったため、「年間成婚退会者」÷「2023年1月1日現在の会員数」で算出しました。こちらも、計算式1に近くなっています。
成婚率の数字だけを重視していると、正しく情報を読み取れない可能性があります。結婚相談所選びをする際には、どのような算出方法で成婚率を出しているのか確認するようにしましょう。
また、中には成婚率を提示していない結婚相談所もあります。算出方法によりブレがあるとはいえ重要な指標になるため、成婚率はきちんと明示しているところを選ぶのが良いでしょう。
結婚相談所の成婚率はなぜ低い?
ここまで3つの成婚率の算出方法を見てきました。
算出方法1の「成婚退会者」÷「会員数」がイメージしていた「成婚率」だった
という方が多いのではないでしょうか。
その算出方法を採用しているパートナーエージェントやオーネットを見ると、成婚率は10~20%台であることが分かります。
結婚したいという意思を持って入会した人が集まっているのに、成婚率が低いと感じませんか?
成婚率が低い理由には、さまざまな要因が考えられます。
希望する条件が高望みすぎる
結婚相談所では、会員のプロフィールや希望条件をもとにマッチングを行います。
しかし、会員同士の希望が合致しないことが多く、成婚率が低くなる原因の一つとなっています。
男女間で結婚相手に求める条件にギャップがあることが1つ大きな問題として挙げられます。
ひとつは年代です。結婚相談所に登録している女性は30代女性がボリュームゾーンになり、お相手の男性も同年代を求めることが多いです。
しかし、30代男性会員の多くは年下、特に20代の女性を希望条件に挙げています。20代女性の会員数は30代女性ほど多くないため、競争率が上がります。
その結果、多くの30代男女の希望が叶わず、成婚に至ることが出来ないのです。
また、せっかくお金を払っているのだからと、あれもこれも要望をあげてしまうこともあります。お相手の年収や容姿に対して要望が多いと、自然と希望条件を満たす会員が減ってしまいます。
条件も大切ですが、価値観や雰囲気のフィット感も重要です。まずはいろんな人に会ってみることを大切にすると良いでしょう。
仲人とのコミュニケーション不足
仲人は、結婚相談所における活動を力強くサポートしてくれます。
プロフィールをより魅力的にみせる相談や、デート当日の動き方など、そのサポート内容は多岐に渡ります。
一方で、仲人とコミュニケーションをしっかりと取っていないと、あなた自身の魅力や人柄が仲人に伝わりません。
その結果、本当はもっと魅力があるのにそれをプロフィールに反映できなかったり、
相性の合わない人とお見合いをすることになったりといった事態を招きます。
仲人の質が良くない
結婚相談所によって仲人の質はさまざまです。
質問や相談をしてもなかなかレスポンスが返ってこない、自分の不安を汲んでくれない、というような仲人にあたってしまう可能性もあります。
大手の結婚相談所であれば、在籍している仲人が多いため変更のお願いをしてみましょう。
また、結婚相談所によって1人の仲人が担当する会員数が異なります。少人数担当制の方がより丁寧なサポートを受けられるでしょう。
他にも口コミや受賞歴等を確認して、仲人から質の高いサポート受けられるような結婚相談所を選びましょう。
結婚相談所によっては会員数が少ない
結婚相談所の会員数はさまざまです。数万人もの会員が在籍し、他の結婚相談所とも提携しているような大手もあれば
数十人~数百人規模のところもあります。
もちろん、少人数制は丁寧なサポートを受けられるというメリットもあります。
しかし会員が少ない中だと、そもそも全会員を見ても希望条件に合致する人がいない、という状況になる可能性も十分にあり得ます。
結婚相談所以外の婚活サービスも利用している
「婚活実態調査2022(リクルートブライダル総研調べ)」によると、2021年の婚姻差のうち、婚活サービスを利用して結婚した人の割合は15.1%でした。
その内訳は、結婚相談所が2.9%、ネット系婚活サービスが10.0%、婚活パーティ・イベントが2.1%となっています。
マッチングアプリ等の急速な拡大により、結婚相談所以外で結婚相手探しをする人も増えてきました。
カップルの片方が結婚相談所に在籍していても、結婚相談所外の人と婚約した場合は「成婚」に数えないことが一般的です。
そのため、出会いの種類が広がったことが成婚率の低さに繋がっている可能性があります。
結婚相談所選びの際には、成婚率のみを重視すべきではない
ここまで、成婚率の算出方法や成婚率が低い理由を見てきました。
算出方法の違いがある時点で、成婚率のみを重視すべきではないことはお分かりいただけたと思います。
では、どのようなことを重視していけばよいのでしょうか。
希望の年齢層や条件の会員がいるか
結婚相談所の目標は「成婚」だと冒頭に述べましたが、単に誰かと成婚できれば良いのではありません。
お互いに希望条件が合致し、真剣交際を経て、将来を見据えて成婚したいですよね。そのためには、そもそも希望条件に合っている人が会員にいるのかをチェックする必要があります。
大手結婚相談所であれば特に、年代や性別の比率をデータとして公表しているところが多いです。中には収入の分布を公表している結婚相談所もあります。
価値観や人柄のマッチングはお見合いしてみないと分かりませんが、データとして把握できる条件は事前に確かめておきましょう。
サポートは充実しているか
プロフィールの添削やデートのアドバイスなどは一般的なサポート範囲ですが、独自のサポートを持っている結婚相談所があります。
例えば「サービスが手厚いと思う結婚相談所」でNo.1を獲得しているサンマリエでは、サンマリエ婚活カレッジと呼ばれる全80講座ほどのセミナーが開催されています。
女性対象の講座では、ヘアセット講座やファッションセミナー等、男性対象の講座では会話術やLINEの女性心理等が学べます。
また、TMSパートナでは、希望条件や価値観、活動意欲を基にAIによって候補を出してくれるマッチングサービスを導入しています。
また、5つの婚活力をチャートで出力し、伸ばすべきところを客観視することができる分析ツールが提供されていたり、
分析結果を基により良い自分になるためのセミナーが月20回ほど開催されています。
婚活において自信のない部分をフォローしてもらえたり、自分自身のことを客観視できるような機会があることは大切ですね。
紹介保証や返金サポートがついているか
せっかく結婚相談所に入会しても、お見合いが出来なければ成婚できません。
結婚相談所によっては、月に紹介する人数を定めていたり、90日間無料入会や返金サポート等のサービスを展開していることがあります。
月ごとの紹介人数が決まっていることで、月会費に見合った活動をすることができます。
また、無料入会や返金サポートがついている結婚相談所では、万が一好みの会員がいなさそうであると
入会後に判明してしまった場合でも、無駄に費用をかけずに済みます。
継続利用できる費用か
通常かかる費用としては「初期費用」「入会金」「月会費」「成婚料」があります。
婚活イベント等に参加する場合は、さらに別途料金がかかる場合もあります。
入会から成婚に至るまでは、一般的に6か月程度と言われています。
もし想定よりも婚活に時間がかかった場合にも、お金が足りないので諦めて退会、とならないよう
余裕を持った計画を立てて費用計算をしましょう。
在籍していた結婚相談所を辞めて新しいところに入会する場合の「のりかえ割」や、期間限定の割引キャンペーンを行っていたり、年代別に価格を分けている結婚相談所もあります。
前述のサポート充実度も比較しながら、自分に合った費用感を探しましょう。
まとめ
成婚率の算出方法のからくりや、成婚率が低い理由、重視すべき条件について説明しました。
結婚相談所を選ぶ時には、ついつい「成婚率」に目がいきがちですよね。
正しく情報を理解し、成婚率以外の要因についてもきちんと目を向けることが、自分に合った結婚相談所探しに繋がります。
特にサポート内容については結婚相談所ごとの差別化が最も図られる部分です。
ある程度自分で進めたい人、徹底的に手厚いサポートを受けたい人など、人によって求めることはさまざまだと思います。
無料相談や資料請求を行えるところがほとんどなので、まずは情報収集をしてみてはいかがでしょうか。