個人信用情報機関では、契約・返済・滞納などに関する信用情報が管理されています。
ローン審査などの与信審査で参考にされる情報のため、どのような情報が管理され、どれくらいの期間記録が残るのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、個人信用情報を扱う機関を紹介するとともに、各機関で照会できる情報やそれらの情報の保管期間(ブラック情報は何年で消えるか)について詳しく説明します。
「信用情報ブラックで資金調達ができない…」
という方は、この記事を読んで各機関に問い合わせしてみましょう。
個人信用情報を照会できる機関は3つ|JBA、CIC、JICC
個人信用情報を照会できる機関は、「全国銀行個人信用情報センター(JBA)」「CIC」「日本信用情報機構(JICC)」の3つがあります。
これらの機関は相互に連携し情報共有を行うことで、より正しく与信判断を行えるように運営しています。顧客に貸付業務を行う企業が、その業種に応じていずれかの個人信用情報機関に加入します。
まずは、3つの信用情報機関について概要を押さえましょう。
全国銀行個人信用情報センター(JBA)
全国銀行個人信用情報センター(Japan Bankers Association Personal Credit Information Center、略称:JBA)は、一般社団法人全国銀行協会が運営している個人信用情報機関です。設立は1961年と長い歴史を持つ機関です。
日本の金融機関(主に銀行)が共同で設立・運営している、個人信用情報の集約・管理を行う機関ですので、加盟資格も以下のように定められています。
- 銀行または法令によって銀行と同視される金融機関
- 政府関係金融機関またはこれに準じるもの
- 信用保証協会法に基づいて設立された信用保証協会
- 個人に関する与信業務を営む法人で、上記ア.またはイ.の推薦を受けたもの(クレジットカード会社、保証会社等)
一例としては、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行や、りそな銀行、セブン銀行、住信SBIネット銀行等、が加盟しています。金融機関間で個人信用情報を共有し合っているのです。
消費者が自分の信用情報に関する開示・訂正・利用停止等の手続きを行いたい場合、JBAを通じて対応が可能です。
CIC
CIC(Credit Information Center)は、特に消費者金融業界を対象とした個人信用情報の集約・管理を行う機関です。設立は1991年、消費者金融業者間での信用情報の共有を目的としています。
加盟企業は、主に割賦販売(分割払いで商品を販売すること)や消費者ローン等のクレジット事業を営む企業。
割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関として指定を受けた唯一の指定信用情報機関でもあります。
消費者のクレジットおよび消費者ローンに関する信用情報を、クレジット会社からの照会に応じて提供しています。加盟している業種は幅広く、百貨店、クレジット会社、消費者金融会社、携帯電話会社等があります。
日本信用情報機構(JICC)
日本信用情報機構(Japan Credit Information Reference Center、略称:JICC)は、特に業種の定めなく、信用供与を行う企業を会員とする信用情報機関です。
業種の定めはないとはいえ、主にクレジットカードや信販会社、リース会社などの信用情報を集約・管理しているという特徴があります。設立はJBAと同年の1961年。
金融機関や各種クレジット関連企業間での信用情報の共有を目的としています。貸金業法に基づく指定信用情報機関として金融庁から指定を受けています。
また、法人の信用情報を開示請求できる唯一の機関でもあります。したがって、法人の信用情報を紹介したい場合は、JICCに依頼することになります。
個人信用情報照会で分かる項目とは?
個人信用情報とは、どのような項目が含まれるのでしょうか?
照会できる情報は、実は機関ごとに異なっています。
以下では、「各機関で共通して照会できる項目」と「特定の機関でしか照会できない項目」に分けて解説します。
3つの機関で共通して照会できる項目
本人特定情報
氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、勤務先、勤務先電話番号等
契約内容に関する情報
登録会員名、契約の種類、契約日、貸付日、契約金額、貸付金額、保証額等
返済状況に関する情報
入金日、入金予定日、残高金額、完済日、延滞、異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日、終了状況等
本人申告情報
ご本人から申告された本人確認書類の紛失・盗難等の情報等
貸付自粛依頼情報
日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターに貸付自粛依頼を申入れたことを表す情報
全国銀行個人信用情報センター(JBA)のみ照会できる項目
官報情報
自己破産した場合に、破産手続開始決定時と免責許可決定時の2回、官報に情報が掲載されます。
以前はCICでも官報情報を取り扱っていましたが、平成21年4月1日から収集・保有が中止されました。現在CICにおいては、破産情報はクレジット情報の一部として面積許可決定が確認できた旨のコメントが登録された日が起算点として、5年間情報が保有されます。
日本信用情報機構(JICC)のみ照会できる項目
取引事実に関する情報
債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等
信用情報ブラックは何年で消える?
クレジットカードや各種ローンの利用は、便利な暮らしを過ごしていく上で重要な役割を担います。支払いの延滞や自己破産をしてしまった場合、その情報はどれくらい記録として保持されるのか気になりますよね。
個人信用情報機関・開示情報別に、情報保持期間を確認してみましょう。
全国銀行個人信用情報センターの場合
全国銀行個人信用情報センターでは、以下の通り登録期間が定められています。
本人情報
契約内容に関する情報等が登録されている期間
取引情報(契約・返済情報)
契約期間中および契約終了日(完済していない場合は完済日)から5年を超えない期間
官報情報
破産手続開始決定等を受けた日から7年を超えない期間
本人申告情報
申告日から5年を超えない期間
貸付自粛情報
申告日から5年を超えない期間
CICの場合
CICでは、以下の通り登録期間が定められています。
本人情報単独で保有期間は定められておらず、下記情報に本人識別情報が含まれます。
契約内容に関する情報
契約期間中および契約終了後5年以内
返済状況に関する情報
契約期間中および契約終了後5年以内
本人申告情報
登録日より5年以内(※本人からの申し出により、期間内であっても削除可能)
貸付自粛情報
登録日より5年以内(※CICでは削除不可)
日本信用情報機構(JICC)の場合
日本信用情報機構(JICC)では、以下の通り登録期間が定められています。
本人情報
契約内容に関する情報等が登録されている期間
契約内容に関する情報
- 契約日が2019/9/30以前の場合:契約継続中及び完済日から5年を超えない期間
- 契約日が2019/10/1以降の場合:契約継続中及び契約終了後5年以内
返済状況に関する情報
- 契約日が2019/9/30以前の場合:契約継続中及び完済日から5年を超えない期間
(ただし、延滞情報については延滞継続中、延滞解消の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間) - 契約日が2019/10/1以降の場合:契約継続中及び契約終了後5年以内
取引事実に関する情報
- 契約日が2019/9/30以前の場合:当該事実の発生日から5年を超えない期間
(ただし、債権譲渡の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間)日から1年を超えない期間) - 契約日が2019/10/1以降の場合:契約継続中及び契約終了後5年以内
(ただし、債権譲渡の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年以内)
本人申告情報
登録日から5年以内(※本人からの申し出により、期間内であっても削除可能)
貸付自粛情報
申請日から5年以内(※本人からの申し出により、期間内であっても削除可能)
まとめ
個人信用情報機関でどのような情報が、どれくらい管理されているのかをご紹介しました。
各情報に含まれるさらに詳細な項目については、各機関の公式サイトから確認することができます。
また、各機関は連携して情報共有を行っていると冒頭に述べましたが、すべての情報を共有しているわけではありません。登録されている信用情報の状況をすべて確認したい場合は、3機関に対して情報開示を申し込む必要があります。
照会したい特定の項目がある場合には、是非本記事を参考にしてみてください。